FIG-0063 / 人物・神格(Figure) / 伝承上の天皇
仁徳天皇
Emperor Nintoku
確度 B有力だが異説あり
別名:大雀命、大鷦鷯尊、大鷦鷯天皇、聖帝
古事記
大雀命
日本書紀
大鷦鷯天皇(大鷦鷯尊)
難波高津宮に都し、民の竈から煙が立たないのを見て3年間課役を止めたと伝えられる。茨田堤の築造など治水・開発の記事をもち、皇后イワノヒメの嫉妬をめぐる歌物語で知られる。播磨国風土記には大雀天皇の名が見える。民のかまどの説話を日本書紀が仁政の範型として整えるのに対し、古事記は人間的な葛藤の側から描く。
実在性の評価 実在の可能性あり
津田左右吉・直木孝次郎は民のかまどに代表される仁政説話を中国の聖王伝説に由来する潤色とみるが、宋書倭国伝の倭王讃または珍に比定する説があり、5世紀前半の大王としての実在は否定されない。陵に治定される大仙陵古墳は墳丘長525メートルで5世紀中葉の築造とされ、被葬者の確証はないもののこの時期に巨大な王権が存在したことは考古学的に確かである。
この評価は、その存在が歴史的に実在したかについての学説の分布を示すものである。 実在しないことは、その物語が果たしてきた働きを少しも減じない。
祭祀と受容
大阪の高津宮が仁徳天皇を祀り、難波の宮の伝承地とされる。各地の若宮八幡宮は、応神の子として大鷦鷯尊を祭神とする例が多い。堺の大仙陵古墳は仁徳天皇陵として治定されているが被葬者は確定しておらず、近年は大山古墳などの考古学上の名称が併記される。
原典に登場する箇所35節
- 中巻 第104節応神天皇の后妃と皇子女
- 中巻 第105節三皇子への分治
- 中巻 第107節髪長比売を子に賜う
- 中巻 第108節吉野の国主の歌
- 中巻 第112節大山守命の反逆と宇治の渡り
- 中巻 第113節兄弟の譲り合いと海人の涙
- 下巻 第119節仁徳天皇の后妃と御子
- 下巻 第120節御名代の部と難波の土木
- 下巻 第121節民のかまどと聖帝の世
- 下巻 第122節黒日売と吉備への行幸
- 下巻 第123節御綱柏を捨てて山代へ
- 下巻 第124節口子臣と三度変わる虫
- 下巻 第125節八田若郎女への歌
- 下巻 第126節女鳥王と速総別王の死
- 下巻 第127節女鳥王の玉釧と大楯連
- 下巻 第128節日女島に雁が卵を生む
- 下巻 第129節枯野の船から作った琴
- 下巻 第130節仁徳天皇の御年と御陵
- 巻第十 第135節皇后仲姫と、二十の皇子女
- 巻第十 第138節日向の髪長媛と、大鷦鷯尊への譲り
- 巻第十 第142節呉への遣使と縫工女、菟道稚郎子の立太子
- 巻第十 第143節崩御と、呉の工女の到着
- 巻第十一 第144節菟道稚郎子との譲り合いと、即位
- 巻第十一 第145節難波高津宮と、皇后および皇子女
- 巻第十一 第146節民のかまど——三年の課役免除
- 巻第十一 第147節茨田堤と堀江、諸国の開発
- 巻第十一 第148節桑田玖賀媛と、八田皇女をめぐる歌
- 巻第十一 第149節皇后、御綱葉を海に投げて山城へ
- 巻第十一 第150節筒城の皇后と、天皇の歌
- 巻第十一 第151節皇后の崩と、八田皇女の立后
- 巻第十一 第152節雌鳥皇女と隼別皇子
- 巻第十一 第153節百済の酒君と鷹、雁の卵
- 巻第十一 第154節新羅への出兵と、田道の死
- 巻第十一 第155節晩年の諸事と、崩御・百舌鳥野陵
- 巻第十二 第156節住吉仲皇子の変と、履中天皇の即位
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